12.02
インハウス時代 企画・デザイン・撮影
株式会社美十 インハウスデザイナー時代の仕事です
企画者として初の仕事、全体のスケジューリングやコントロールをはじめ通常業務のパッケージデザイン、店舗ディスプレイ、商品撮影(ディレクション含む)を行った商品です。
フィナンシェを薄くカリッとした焼き菓子にした香ばしくてバター香るあま〜いお菓子。各部署の方々の協力なしでは絶対に成し得なかったプロジェクトでした。
あまり語る機会がなかったので、こちらで少し。
この商品の名前は「ヴィエ・ド・フィナンシェ」タイプしてみるとわかりますが本当に打ちにくい!商品作りのセオリーは「覚えやすく分かりやすい名前」が鉄則です。いろいろな資料を作る上で「打ちやすいのも大切」となります。なのでこの商品名は多分、みんなを「しらけさせた」商品でした。デザイナーって面倒くさいよなぁっ。かっこよければいいと思ってんだな。理解できひんわぁ…てやつです。
ただ、私はデザイナーは求められる時以外は決して表立つべきではないと常々心がけています。作ってくれるか方々、売ってくれる方々、買ってくれる方々が優先です。なのに何故こんな名前!?となるわけですが、
みなさん「フィナンシェ」ってどういう意味かご存知でしょうか。
私は全く知らなかったのですが「金塊」という意味なんです。インゴットに形が似ているからフィナンシェ。確かにファイナンスという言葉に似ていますよね。
で、フィナンシェの新シリーズとして商品開発部から上がって来たこの薄いお菓子はその形状から「お札だ!」と思ったわけです。
フランス語のスペルで「billet」と綴るこの単語はお札やチケットを意味する言葉で、その時の私はフィナンシェという粋な名前が付けられた時代に添いたいと思いました。ゴールドラッシュ的な景気の良さが感じられて面白いと。
面白さを突き通したのにも思いがありました。
小さい頃のお菓子の名前は訳がわからなくてワクワクした。という思い出です。
「鈴木くん・佐藤くん」「ぬ〜ぼ〜」「花のくちづけ(販売中)」「ポポロン」「ヤンヤン(発売中)」「ハンコください」聞いただけでは何かわからない。でもワクワクする。分かりやすいよりもワクワクする。非効率を楽しいと思いたいという…やっぱり我儘だったのかな。ふふふ